はまっています。
IoTと組み合わせて遊んでます。
しかし、この時期のためか徒長(ひょろひょろ成長)してしまっています。
1. 徒長の原因
徒長の原因は4つあるそうです。
徒長の原因を知ることで、対策を練ることができます| PHYTOCHROME WEB Site HOME
- 日当たり不足
- 水遣り過多
- 風の不足
- 窒素肥料過多
以下でそれぞれの対策を考えていきます。
2. 日当たり不足対策
部屋内で育成しているため、これが主要因と思われます。
窓際に置いているので、日光だけではどうしようもない状態です。
そこで、人工光を与えることにしました。
人口光としては電気代が少なくて済むLEDライトを使用します。
では、LEDライトはどのように選べばいいのでしょう。
選択の条件(スペック)として、波長と消費電力があります。
2.1 LEDライトの波長
IoTされている方はArduino等でおなじみのLEDですが、赤色だけでなく様々な色があることをご存じでしょうか。
LED半導体の化合物組成によって、多様な発色が可能となっているようです。
LEDの発光原理 | LEDの基礎知識 | LED照明 | パナソニックのLED | 照明器具 | Panasonic
いくつかWebサイトを見ましたが、青色と赤色の可視光が植物の成長に重要なようです。
文部省の情報なのだし、自分で実験することもできないので鵜呑みにしてしまいます。
光合成にはクロロフィル(葉緑素)という色素が関わっているが、これは図2に示すような吸収スペクトルを持っている。これを見ると、赤色(660nm近辺)と青色(450nm近辺)に二つの吸光合収ピークがあり、この波長が光合成に特に有効であることがわかる。白色光が葉に当たると赤と青が吸収されて、残りの光は緑が多くなるので葉は緑色に見えるのである。筆者らの実験によると植物の健全な生育にはこの赤色光と青色光がバランスよく配合されていることが大切で、後に述べる光量子束密度の単位でR/B比(赤と青の比率)が10:1あるいは5:1が適切なようである。
第2章 豊かなくらしに寄与する光 2 光と植物-植物工場:文部科学省
以上から、赤色LED(660nm)と青色LED(450nm)が10:1~5:1の範囲のものを検討することとします。
2.2 LEDライトの消費電力
2.2.1 植物に必要な光
植物に必要なものは照度[lx]で決まるようです。
- 光合成で生成されるエネルギーは照度に比例するが、飽和する点(光飽和点)がある
- (植物の成長に使われるエネルギー)=(光合成で生成されるエネルギー)ー(呼吸で消費されるエネルギー)
- 植物の成長に使われるエネルギーが0となる照度が光補償点と呼ばれている
1969年のデータですが、レタスの光補償点は1.5~2[klx]、光飽和点は25[klx]です。
しかし、この値は自然光(太陽光)スペクトルをベースに算出されていることに注意しなければなりません。
上記の通り、LEDライトは植物の成長に抜群な波長の光のみを放出しています。
同じ照度[lx]でも、自然光とLEDでは成長の度合いは大きく異なることが予想されます。
つまり、LEDライトにおける光補償点、光飽和点は上記の値よりも小さくなります。
どのくらい小さくなるのか、はかなり難しい問題だと思います。
それぞれのスペクトルに対してエネルギー応答の重み及び葉緑素の応答の重みを乗じ、和をとって比とします。
上記のうち、エネルギー応答だけは波長に反比例するので、簡単に求められます。
葉緑素の応答は上記リンクのグラフから読み取るしかなさそうです。
自然光スペクトルはどこかで手に入れることができるかもしれません。
LEDのスペクトルは・・・自分で測定するしかないですかね(-_-;)
2.2.2 LEDライトの照度
LED電球が広く使われるようになり、ルーメンの記載が義務付けられるようになったらしいので、ルーメンが分かっているものとします。
まず、ルクス[lx]とルーメン[lm]とカンデラ[cd]の定義を読みました。
ルクス - Wikipedia
ルーメン - Wikipedia
カンデラ - Wikipedia
用語 | 単位* | 定義 |
---|---|---|
光度 | cd | 単色光(540 THz)の光源からの放射強度が1/683[W/Sr]となる光度 |
光束 | lm | 1カンデラの光源から1ステラジアン内に放射される光束 |
照度 | lx | 1平方メートルの面が1ルーメンの光束で照らされるときの照度 |
光束[lm]が分かれば、位置関係から照度[lx]は求まりそうです。
LED電球には指向性があるものとして、電球を中心とした下方向半球の範囲に光があたるとします。
電球とレタスが50cm離れていると、照射面積は
]
となります。
さらに光が集中的にレタスに当たるようなLEDライトとすれば、照射面積は小さくなり、効率的になります(同じ光束でも照度が高くなります)。
2.3 自然光や時間を考慮する
自然光(太陽光)の照度は当然ですが時間的に変化しています。
LEDライトも私が部屋にいる間は付けたくないので、運転時間が決まっています。
このため、時間積分(または時間平均)を考慮した計算が必要となります。
パラメータを整理しておきます。
2.3.1 LEDライトの計算
参考のため以下のライトを使用するとします(現時点で購入はしていません)。
本当かどうか分かりませんが、このライトの光束は1300~1500[lm]と記載されています。ここでは1500[lm]とします。
このライトは平板形ですが、先ほどの議論と同じように50cm離れた場所で下方向半球に光が広がるとします(若干厳しい仮定かも知れません)。
このとき、レタスの位置における照度は となります。
レタスの光飽和点25,000[lx]には遠く及ばないため、LEDライトの光が無駄になることはありません。
2.3.2 自然光の計算
簡単のため、太陽が出ている8時間の自然光が一定で2000[lx]であるとします。
その他の16時間はすべて暗闇で、0[lx]であるとします。
このとき、自然光の一日の時間積分は16,000[lx h]となります。
2.3.3 植物の育成に必要な照度の時間積分
光補償点は2,000[lx]ですが、補償点では成長に回す栄養が無いので3,000[lx]必要であるとします。
一日で必要な照度の時間積分は [lx h] となります。
2.3.4 LEDライトの点灯時間
植物の育成に必要な照度時間積分から、自然光の照度時間積分を差し引きます。
この時間積分だけLEDライトを当てる必要があります。
[lx h]
LEDライトの照度は1000[lx]なので、一日で必要な点灯時間は以下の通り求まります。
時間
・・・
一日より長いじゃねえか!
ということで、ここまで一日あたりをベースに考えてきましたが、スパンを広げた時間積分を考える必要がありそうです。
極端に日照が少ない期間が含まれると危なさそうなこと、レタスの生育期間が半年程度であることを考えると、1週間や2週間を目安に照度の計算を行うべきでしょうか。・・・。分かりません。
また、ここではLEDライトスペクトルの優位性を考慮していませんでした。
太陽光スペクトルに比べ、2倍、3倍効率的であれば、必要な点灯時間は1/2、1/3となりますので、現実的になるかもしれません。
農家の方が天気に苦労される理由が少しわかった気がします。